■PDBID:7a98■■■ 新型コロナウイルスによる感染は、ウイルス粒子の表面にあるスパイク タンパク質が、ヒトの細胞表面にあるACEタンパク質に結合することで 起こります。ウイルスタンパク質は、３つの同じ分子が組み合わさった 「三量体」で構成されています。mRNAワクチンは、ヒトの体内で、この スパイクタンパク質のみを産生させる役割を持ちます。ワクチン接種後 の体内ではこのスパイクタンパク質を標的とした「抗体」が合成され、 免疫システムにコロナウイルスの特徴として覚えられます。そして本当の コロナウイルスが感染した時に、この「抗体」が素早く、沢山生産され、 それらがスパイクタンパク質の結合部位を塞ぐことで、症状を軽減したり、細胞への感染を防いだりします。 今回製作した模型は、スパイクタンパク質の「三量体」(シアン)のうち 2つの分子にそれぞれ、ヒト細胞由来のACEタンパク質（オレンジ）と、 抗体分子（可変（Fab）領域：赤）が結合している様子を表しています。